「たたら製鉄に学ぶ」を実施しました
日 時 令和5年11月8日(水)
対 象 探究科学科1年次生(59名)
講 師 永田 和宏 氏 東京工業大学名誉教授
内 容 6限 講義 7限 たたら体験
島根県東部で行われてきた「たたら製鉄」は、地域の伝統でありながら、松江市の高校生が実際に目にする機会はほとんどありません。そこで、たたら製鉄研究の第一人者である東京工業大学名誉教授の永田先生をお招きし、実際に簡易たたら製鉄を行い、たたらを体験する授業を実施しました。鉄が生まれる過程や炎を体感することで、たたらの製造過程やその歴史・文化にじかに触れ、文理融合の学びを深めました。
前半の講義では、たたらが現在の製鉄と根本的にしくみが異なっていることを学びました。砂鉄を使うため還元が速いこと、不純物が少ないこと、錆びにくい鉄ができることなどを知りました。
また、前近代製鉄法であるたたら製製鉄の原理を使って、粉鉄鉱石から高速で銑鉄を製造するマイクロ波加熱製鉄の紹介がありました。温故知新、新しいことにチャレンジする大切さを強調されました。
後半のたたら体験では、学校に「永田式たたら」装置を組み立て、地域の方のご協力のもと、実際に砂鉄から玉鋼を作成しました。火入れは朝から始まりましたが、生徒は最後のケラ出しの部分を見学・体験しました。生徒は実際の火の迫力に圧倒され、鉄が出てきたときには大歓声が上がりました。鉄の取り出しを実際に体験した生徒もいました。
生徒はこの経験を通じて鉄の生成過程や地域における歴史について興味を高めていたようでした。完成した玉鋼の破片を眺めて、放課後もその場に残っている生徒もいました。この授業が実現したのは、協力していただいた地域の方々のおかげです。どうもありがとうございました。
この授業の様子は山陰中央新報、マーブルテレビでも取り上げられました。