校長室から 二学期

学びの原点 ~ 師との出会い その2

二学期になりました。玄関前で学園祭の準備をする生徒の明るい声が聞こえています。夏休みに行われた北東北の全国高校総体では飛び込みで須山さんが7位入賞、ハンドボール部女子がベスト16に進出等、出場したそれぞれの部が活躍しました。いろいろな場面で本校生徒の活躍を聞きます。良い感じで二学期を迎えることができました。とても嬉しく思っています。

 ハンドボール部の活躍で私も昔を思い出しました(恥ずかしながら30数年前に本校ハンドボール部の顧問だったのです)。その時の生徒であった渡部君を今回は紹介します。CIMG2941.JPG

 彼には、少し前の卒業30年の矢の原会同窓会で再会しました。「こんな仕事をしています」と名刺をくれましたが、それにはチベットやネパール等の辺境の旅や海外登山を行う会社の福岡営業所の所長とありました。そして、辺境の旅や海外登山のガイドを行いながらチベット仏教の研究をしているとのことでした。元登山部の顧問である私にとってはあこがれの職業の一つです。

 アフガニスタンで奉仕活動をしていたペシャワール会の代表で、アジアのノーベル平和賞といわれるマグサイサイ賞を受章した、私が尊敬する中村哲さんとも知り合いでした。そしてまた、共同執筆した著作が秩父宮記念山岳賞という賞も受けていました。彼が辺境の旅のガイドやチベット仏教の研究をするような人間になろうとは、高校生のころの彼からはとても想像できませんでした(渡部君ごめんなさいね)。

 どのような出会いがあって今の仕事をするようになったのかと問うと、彼は次のように答えてくれました。

「化学の岩浅先生(元出雲高校校長)との出会いです。岩浅先生に勧められて、3年生の夏休みに、三刀屋の峯寺というお寺で泊まり込みの勉強会に参加をした。そこでの勉強の合間に、そのお寺の裏山に度々登り、山は良いなあと思うようになった。そしてまた、そのお寺は当時はユースホステルもしており、旅をする大学生がたびたび泊まりに来ていた。お寺の手伝いをしながらそのような大学生と出会って話をするうちに山と旅にあこがれるようになった。そして大学に入ってから本格的に山に登るようになり、今の仕事に就いた。

 さらにチベット仏教に興味を持っていたが、卒業後30年の矢の原会の同窓会で岩浅先生と再会した。それが縁で再び峯寺を訪ねるようになった。峯寺はチベット仏教と深い関係があることが分かり、たびたび調査に訪れていたところ、同じように調査にきていた早稲田大学の先生に出会った。そしてチベット仏教の勉強をさらに深めることができた。」 多少の聞き間違いがあるかもしれませんが以上のような内容でした。

 心の準備をしていると次々と新しい出会いがあり、自分を高めることができるのですね。8月末のちょうど今頃は、岩浅先生とチベット仏教巡礼の旅をしているとのことでした。

 高校生の時にはなかなか自分の力、魅力に気がつかないものです。彼は、勉強合宿に参加するという行動を起こし、そこでの出会いから謙虚に学び、そして新しい自分の力、魅力を見つけたのです。まさしく「創造進取」ですね。

 鍵はまず行動をすること、そして謙虚に学ぶことです。そこに新しい自分の力、魅力を見つけることができ、新しい自分を創るほのかな光が見えてくるのです。高校生の時は苦しいこともあるし力不足でもあります。しかし力不足でも良いのですね。苦しいときに流した汗はかならず自分の生涯の宝になります。

 生徒の皆さんが新しい出会いから新しい自分を創ることができる二学期になることを期待しています。


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