校長室だより5号

 学びの原点 ~ 師との出会い    山田和彦

CIMG2898.JPG夏休みも8月になってしまいました。プラタナスが台風で倒れることもありましたが、得ることの多かった一学期でした。東東北のインターハイでも女子ハンドボール部がベスト16に入る大活躍もありました。

 さて私事ですが、4月以来、本校に縁のある多くの方々との出会いに恵まれ、まことに嬉しく思っています。そのなかから今回は原敏先生と杉原敏夫先生を紹介させてください。

 原先生には矢の原教育振興会理事会で久しぶりにお会いしました。先生は本校の元校長先生であり松江市の教育長も歴任されました。私は初任のときに(思い出すのも恥ずかしい頃です・・・)あるクラスの副担任でしたが、そのクラスの担任が原先生だったのです。理事会が終わってから懐かしく話が弾みました。

 その時に原先生から「一期の卒業生である杉原敏夫君が長崎大学を退官をした。その退官記念論文集が送られてきたので、皆に読んでもらうように南高の図書館に寄贈するよ」とのことで、その長崎大学の杉原敏夫先生退官記念論文集を譲り受けました。(右は杉原先生がご寄贈の著書の一部です)

 杉原敏夫先生は宍道町のご出身です。京都大学大学院理学研究科で物理学を専攻、民間企業に入社された後に大阪の短大教授等を経て、長崎大学経済学部教授として学部長等の要職を歴任され、平成22年3月に定年によりご退職されました。経営情報がご専門とのことです。

 原先生宛のお手紙もありましたので、原先生にお願いして拝見させていただきました。

原先生と杉原先生にご無理を申し上げ、抜粋ですがこのお手紙をこの場で紹介させていただきます。

「・・・・・・先生からは、南高の時に数学をお世話になり、先生の数学的なセンス溢れる授業に随分魅了され、数学の思いを強くしたものです。先生がもともとは物理を志しておられたことを後から知り、また、物理学関連の本をお借りしたりして一方ならぬお世話をいただきました。いま思い出してもあの頃が非常に楽しく心の中に浮かんで参ります。また島根大学の竹原敏夫先生のご自宅にも連れて行っていただきました。

 このようなご厚情をいただきながら、わずかこれだけのことしかしてこなかったかと憮然とする思いです。いろいろな言い訳はできますが、基本的には私の能力の限界と思っております。理論物理学を志しながら結果としては経済情報の領域に入ってしまったことはいささかの後悔の念もありますが、今となってはこれも一つの生き方かと自らを納得させております。

 学位は結局のところ経済学博士という当初は思いもつかなかった領域のものではございますが、国際誌にも掲載され、この分野においては若干ながら研究者として認めていただいたということと思います。このことを生かし、近郊の教育機関での社会人教育や市の審議会において学識経験者としての役割を当分は続けたいと思っております。・・・・・・」

 生徒を魅了する教師の力と専門分野への強い思い、そしてその教師との出会いとその出会いから強く学ぶ生徒・・・。私はこのお手紙を拝見させていただき、本校創設期の教師と生徒の鼓動あるいは息遣いといっていいでしょうか、なかなかふさわしい言葉が見つかりませんが、そのようなものが聞こえてくるような気がしました。

 原先生はまた「実践的校長論」(2,003年 学事出版)で「学校の原点は『教室を生き生きと』、『学校教育はその原点に帰ること』、日本の子どもたちに、学問の尊さや厳しさ、学問の魅力を教師が何とか伝え熱中させることができないものかという願いがあった・・・」と述べておられます。

 松江南高校はいつまでもこのような学校であり続けたいと強く思っています。


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